魍魎の匣

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著者

京極夏彦

読んだ日

1999年4月15日

徒然

 京極堂シリーズ第2作。これまた分厚い。

 今回も読んで思ってしまった、「ま、まるめこまれてる……」。文章のうまさがそうさせるのか、はたまたストーリーテラーなのか、虚構と現実の狭間を上手く書ききる。それが、読後感としてとても丸め込まれているような気がするのだよな。と言いながら読ませてしまった作者の勝ちなのだが。

 このシリーズの真骨頂は、不条理を不条理として読ませるのではなく、かといってすべて理詰めで読ませるのではなく、不条理を理詰めで読ませてしまうところにあるのではないだろうか。その「理詰め」の部分の最後の最後のところを、作者なりの「理詰め」で読ませてしまうのでまるめこまれているような気がするのだろう。釈然としないながらも、「なるほど」と思ってしまう。……やっぱりそうさせた作者の勝ちだな……。多分、次作も読むであろう……。

最終更新時間:2004年10月20日 20時49分32秒