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著者

江國香織

読んだ日

2001年6月

徒然

連作短編集。綺麗な装幀が印象的。

9人の女性と、まわりの男性達、諸々の関係が細切れに描かれる。平凡な生活は、実はそのまま続かず、でも平凡に生活は変容してゆく。ドラマチックとはいえないかもしれないが、実際の生活にあり得る変容。

平凡というのはどういうことなのだろう。女性にとっては夫がいて、男性にとっては妻がいて。子供がいて。でもその平凡は、夫も妻も子供もそれぞれが居ない人から見てみればやはり平凡ではないだろう。

毎日の生活のほんの些細な瞬間に、その平凡はいつのまにかずれはじめ、違う道へと歩み始める。それは本当に些細な瞬間。決定的な瞬間ではなく。

最終更新時間:2004年10月25日 21時20分14秒