1999年5月
短編集。単行本の文庫化であるが、例によって例のごとく、全面改訂版である。文庫で全面改定するのは読者にとって良いのか悪いのか意見の分かれるところであるが、全面改訂版しか読めない(読んでない)立場から言えば「より良いものが読めるならそれでいい」と思う。
さて、内容はと言うとこれもまさに高村ワールド。高村さんは若い人間よりも、脇役に位置するような50〜60代の枯れた「オヤジ」を書かせると超一級品だと思っているのだが、これもそのチカラをいかんなく発揮している。ちょっと主人公の年齢がちぐはぐな面もあるようにも感じたが、それはちょっと「枯れすぎ」ているからなのだろうな。高村さんチカラ余ってる感じもします。全体的に良作揃い。読んで損はないです。
最終更新時間:2004年10月22日 22時57分25秒