球形の季節

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著者

恩田陸

読んだ日

2002年4月

徒然

谷津という町を舞台にした、高校生達に流れる噂とそれにまつわる物語。明と暗。明のように見えて実は裏に隠れる本当の暗を描く。

主人公の一人、みのりが着るオレンジ色のワンピースは、すなわち明。彼女そのものを表現していると思う。彼女はまっすぐに生きていくだろうし、やはり、帰りを待ちつづけるのだろう。

そして石を積むのだろう。

怖いけど、いい話だった。

気になるのは、どうやら、わたしにもそういう場所があるように思うことだ。たぶん夢で見た。「ほんとうの谷津」の描写は、なぜか私にも懐かしいような怖いような既視感がある。わたしも、そこにいったことがあるのだろうか。それとも、誰しもこのような「場所」を持っているのだろうか。

最終更新時間:2004年10月25日 21時38分02秒