{{amazon 4334073131}} {{amazon 433407314X}} !著者 宮部みゆき !読んだ日 1998年11月23日 !徒然  宮部さん渾身の作。久々の大作、読み終わった後にしばらく眠れなかった。そうこなくっちゃ宮部さん。なにしろ、上下2巻という大作、連載が終わってすぐの加筆出版、どちらにしろかなりの力作。  以前に出版された、「鳩笛草」所収の「燔祭」の続編に当たる。「クロスファイア」を読む前に、この「燔祭」を読んでおくことをおすすめする。  本当に久々に鳥肌が立った。なんて、悲しい話なのだろう。なぜか、ある程度この結末が予想されていても、ショックは隠せなかった。なんて寂しい、なんてけなげな……、なんて……。これは読むべき。読んで下さい。  実際の所、上巻の終わりあたりで読む速度が落ちた。すこし中だるみして、話が進まない。だが下巻に入ったら疾風怒濤の物語展開、終わりまでそのまま……。だから、途中で投げ出さないで読もう。  スティーブン・キングの「FireStarter」へのオマージュ。異能者の物語なのだが、異能者の内面、特にその「力」を持った事への自分なりの決着が書かれる。同じ異能者を書いた、筒井康隆の「七瀬ふたたび」への繋がりも感じた。「FireStarter」を読んだことがないのでわからないが、これはオマージュでもあり、アンチテーゼでもあり、宮部みゆき版の「FireStarter」でもあるのではないだろうか。どう考えてもこの物語は宮部みゆきでなければ書き得ないし、また、燔祭から繋がるこの物語は宮部みゆきが書かなくてはならない物語だったのだろうと思う。それほど力のこもった物語だった。こんなのは久しぶりだ。 {{category 書名,nolink}} //「書名」のままおいてておく。 {{category 宮部みゆき,nolink}}