ゆで卵

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著者

辺見庸

読んだ日

1998年12月

徒然

 やっぱり、表題作「ゆで卵」が良い。主人公が(作者が?)出会ったある大事件が元になっているが、この事件をここまで身近に描いた作品を読んだのははじめてだった。マスコミやその後のメディアが伝えた幾千の情報よりも、この作品がとてもいろいろな物を伝えてくれた。

 そういう部分を除いたとして、「たんなる」創作として読んだとしても、この作品は色褪せないだろう。多分この作品が嫌いな人もいるんだろうし、実際あとがきにはいろんな抗議を受けた旨が書かれてある。だけど問題はそういうことではなく、こういう作品自体を読んで、それがどうなのか、作品自体を評価すべきである。難しいことを考えなくても、面白いモノは面白い。

最終更新時間:2004年10月20日 20時53分29秒