みちづれ

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著者

三浦哲郎

読んだ日

1999年2月19日

徒然

 「短編集モザイク I」「短編集モザイク II」として刊行された2冊のうちの1冊。すべて短編で構成されている。

 三浦哲郎は「短編の名手」という言葉がふさわしい。やはり独特の雰囲気を持っていて、それが短編でもいかんなく発揮される。よく多用される方言が雰囲気を作るのに一役買っている。 作品にすこし寒さが現れるときがある。無意識のこわさ、人間のこわさ、をかいま見させてくれることがある。これがかなり怖い。「ぞぞっ」というこわさではなく「すっ」とこわくなるこわさ。すごいと思う。

 作者の近辺で起こった出来事や、そうでなく全く違うことを扱ったものなど、多種多様な作品が収められている。いちげんさんには敷居の高い雰囲気があるかも知れないが、そこはそれ、こわさなどを感じつつ、すこしづつ読んでみて下さい。ここち良い方言が田舎にでも帰ったような気分にさせてくれます。

最終更新時間:2004年10月20日 20時54分42秒